エルメスは高級素材のアイテムが特徴的で世界的有名ブランドですが、中でも人気シリーズの2大巨頭と言えば「ケリー」と「バーキン」です。
この両アイテムはパッと見の感じだと似ているのですが、実は細かいデザインや機能が全然違うんです。
そこで今回は、エルメスのケリーとバーキンの違いをそれぞれの特徴とともに解説していきたいと思います。
「ケリー」と「バーキン」とは
「そもそもケリーとバーキンって何?」という人も多いと思います。かなりエルメスでもかなり人気のシリーズなのですが、名前ならなんとなく聞いたことのある人も多いはず。
エルメスを代表する2大アイコン
エルメスを代表する2大アイコンとして評されるケリーとバーキンは、見た目こそ似ているものの、製品が生まれる経緯と過程が全然違います。
まずケリーについて説明します。
ケリーは1955年当時、モナコ王妃のグレース・ケリーがパパラッチから妊娠中のお腹を隠したバッグとして有名になりました。
元々は「サックアクロア」という名称で乗馬サドルを収納するためのバッグだったのですが、車移動が主流になって小型化したのがケリー製造までの経緯です。
次にバーキンですが、これは1981年にパリからロンドンに向かう航空機内で、かごに荷物を詰め込んでいた歌手「ジェーン・バーキン」と、偶然隣席に座っていたエルメス5代目社長「ジャン=ルイ・デュマ=エルメス」の出会いがきっかけです。
デュマはジェーン・バーキンに話しかけ、もっと収納があるバッグの方がいいと思い、彼女の理想のバッグを作ることを提案します。
その結果開口部が広くて収納がたくさんできる高級バッグのバーキンが誕生したというわけなんですね。
ケリー・バーキンの違いを比較
製造に至った経緯や過程が全然違うことは分かってもらえたと思いますが、その他にも細かい違いはたくさんあります。
デザインの違い
まず一番大事な違いとして、ケリーとバーキンではデザインが違います。
ケリーは、台形型のフォルムが特徴的なバッグです。金の錠前がついていて、高級感が溢れています。
ケリーは人気モデルなので商品の種類が多いのですが、内縫いと外縫いの2種類のタイプがあるのがポイントです。
一般的な手法である内縫いは、縫製部分が見えないのでふんわりとした印象のバッグになります。それに対して外縫いは、あえて縫製部分を出してシャープにすっきりとした印象を与えます。
色んな場面でビジュアル別に使い分けるのも楽しみの一つですよね。
バーキンは持ち手が2本あって、開口部が広く頑丈で収納にも便利なくらい十分なマチがあります。
エレガントな見た目に関わらず圧倒的な収能力を誇っており、つくりがしっかりしている分、重量感もあります。具体的にはバッグの重さが30センチサイズで約1キロです。
オープンポケット・ファスナーポケットと収納も多く、あえて仕切りがない作りなので何でも入りやすいですね。
機能性の違い
機能性に関しては、全体的にバーキンの方が優れています。
ケリーはビジュアルの美しさや高級感にとてもこだわっているので、余計なポケットやサイドベルトが付いていません。さらにいくら荷物を入れても形は変わらないので、バッグのシルエットが変わることもありません。
それに対してバーキンは、フロントや背面にポケットが付いているので収納スペースが多いです。さらにサイドベルト・クロアでマチ幅を調整できるので、機能面の高さも魅力的ですね。
定価の違い
エルメスのケリーとバーキンは、商品数自体かなり少ないので定価の情報がネット上にほとんど出回っていません。中古の方が値段が高いという現象も起きるくらい希少価値が高いので、参考程度にお考え下さい。
まず、バーキンには現在4つのサイズがあります。
- バーキン25
- バーキン30
- バーキン35
- バーキン40
サイズが大きくなるにつれて値段も上がっていきます。最もサイズの小さい25では、現在製造されているのは「トゴ」「スイフト」「エプソン」素材の品が多く、それぞれの定価は116〜119万円の間くらいです。
対するケリーは以下の3つのサイズがあります。(変則モデルなどの例外的なサイズがあるがここでは省略)
- ケリー25
- ケリー28
- ケリー32
最も小型の25は流通も少ないサイズなのですが、定価は110万円前後となっています。ケリーもバーキンも定価はそこまで変わりませんが、ケリーには内縫い・外縫い・変則モデルなどの要因でかなり前後するので、あくまでも参考にしてください。
ケリーのバッグの人気サイズ
(引用)https://item.rakuten.co.jp/maison/msk2909712/?scid=af_pc_etc&sc2id=af_101_0_0
一番人気のバッグはケリーの32サイズで、カラーはエトゥープの商品です。これはサイズ感が普段使いにもちょうど良いので、色んな場面で使えるのが人気の理由です。
丸みを帯びた内縫いタイプのケリーは、フェミニンな印象で可愛らしさとエレガントさがあり、「もっとも美しいバッグ」を目指したケリーの究極系とも言えますね。
やわらかいレザーで繊細な触り心地のエルメスのバッグは、多少のキズや汚れも目立ちません。
バーキンのバッグの人気サイズ
(引用)https://item.rakuten.co.jp/culture/he-bkn30-tg-crs-t/
機能性の高さと見た目の高級感がかなり絶妙なバランスのバーキンは、日本人にはサイズ30が好まれています。こちらの商品のカラーはCRAIEで、大人っぽさと女性らしさが絶妙に組合わさった色合いです。
やや小ぶりのジャパンサイズでは30〜35が一般的ですが、海外セレブの多くは40を愛用しています。
バーキンはクロアを外して収納すれば、トートバッグのようにも使えるので柔軟に使い分けられる便利さも兼ね備えています。
ケリーはフォーマル用・バーキンはプライベート用
以上がエルメス2大巨頭の人気シリーズ「ケリー」と「バーキン」の違いについてでした。
細かい違いはどうでもいいという人は、「ケリーはフォーマルな場面に最適で、バーキンは普段使いでも便利なプライベート向き」という点だけ抑えておけば大丈夫です。
ただ、これは強いて言えばの違いであり、どちらも見た目はエレガンスでしっくりくるビジュアルです。素材も最高級なので、サイズとデザインで決めればいいと思います。